2012年10月大学生にSNSの利用状況を調査してみた

昨年10月、文系大学生(関東学院大学、立正大学、宮崎公立大学)340名にスマートフォンの利用調査を行ったのだが、その際、加えてSNSの利用状況についてもアンケートを実施した。そのとき驚いたのは、スマートフォンとSNSの関連だ。その結びつきはきわめて強く、もはやスマートフォンとはSNSマシンと言っても過言でないほどになっている(ちなみに、今回SNSとして扱うのはFacebook、Twitter、mixi、LINEの四つ)。当初、学生たちの多くがiPod+ケータイが合体するものという動機でスマホを購入するのだけれど(もっとも、今では周囲の人間が購入するので、自分も所有していないとマズイという強迫観念で手に入れる学生も増えているのだけど。購入動機が「流行だから」という理由が37.3%もあった)、手に入れてみると次第にSNSを使うマシンになってしまうのだ。

きわめて高いSNSのスマホでの利用率

この時点でのスマートフォン所有者は78.5%、つまり340人中267名。これら所有者の内、SNSの利用率は、高い順にLINE84.9%、Twitter73.5%、Facebook52.6%、mixi45.9%だった。ちなみにこれはFacebookのみのデータだが、SNS=Facebookへのアクセスはスマホ87.6%、パソコン12.4%と、スマホからのアクセスが圧倒的だった。スマホは要するに前述した通りSNSマシン的な側面があることがわかる。個人的にちょっと驚きだったのはLINEが凄まじいほどの普及を見せていること、FacebookよりTwitterの方が普及していることだった。そこで、それぞれのSNSの状況についてみていってみよう。

LINEの凄まじい勢い

LINEについては利用率が前述したように84.9%とトップの普及率だった。しかも利用歴は8.9ヶ月程度。TwitterとFacebookの利用歴が19.8ヶ月、14.6ヶ月であることを踏まえれば、LINEがいかに急激な普及を見せているかがわかる(mixiについては質問項目を立てなかったが、当然、利用歴は最も長いことが想定される。彼らは中学からmixiに親しんできた世代だ)。またスマホの平均利用歴が12.8ヶ月であり、SNSの利用歴と近いということからもスマホがSNSマシンであることを裏付ける。そして、とにかく「時代はLINE」ということらしい。

Facebookは学生には使いづらい?

普及率でFacebookが意外に低いというのも面白いデータだ。利用率こそ52.6%だが、四つのSNSの中でどれを最も利用するのかについての質問をしたところはTwitter45.2%、LINE42.5%、Facebook6.9%、mixi3.2%の順で、第三位であるのは利用率としては同じだが、利用頻度はガクンと落ちてしまっている。つまりFacebookは、登録しているし、それなりに利用歴もあるのだが、あまり重要視されていないSNSであることがわかる。また、登録はしたが、現在は利用を停止しているという質問項目についてはLINE11.5%、Twitter17.7%、Facebook19.8%、mixi43.4%、利用者の1日のSNSチェック頻度はLINE17.2回、Twitter14.8回、Facebook5.5回の順だった。ようするにFacebookは学生たちにとってはちょっと敷居が高い「使いづらいSNS」なのだ。

LINEは身内用のお手軽SNS

いいかえれば、その反対がLINEであることもこの数値は示している。ラインは普及しているし、頻繁にチェックされてもいる、また利用停止率も低い。ただし「最も利用頻度が高いSNS」のランキングともなるとその数値を突然下げ、Twitterに首位の座を譲っている。言い換えれば、とてもお手軽な「使いやすいSNS」なのだ。ただし、現状の利用法としては現実の友人間でのコミュニケーションツールでもあり(ライン上の友人のリアル:ヴァーチャル比率は97:3)、LINEはきわめて内向きのSNSとみなすこともできる。

じゃあ、Twitterはどうなっているんだろう?そしてこれらSNSはどういった関係にあるのだろう?(続く)