今年10月、社会科学系大学3学部の学生(関東学院大学文学部、立正大学文学部、宮崎公立大学人文学部)を対象にスマートフォン(以下スマホ)の利用状況についてのアンケート証左を実施した。(集計総数340票、調査対象の年齢の平均年齢20.1 歳、 男女比=45.2:54.8)。今回はその結果についてお伝えしたい。調査結果をあらかじめ結論をあげておけば1.スマホこそ学生にとってのコンピューター=パソコンだった、2.スマホはSNSマシンということになる。第1回目は前者について。

スマホはもはや大学生の必需品

まずスマホの所持率。これは78.5%だった。ガラケーは30.1%なので、もはやスマホの時代になっていると考えてよいだろう(ちなみにスマホとガラケーを合計すると100%を超えるのは「二台持ち」がいるため)。iPhoneとAndroidの比率は=47.2:52.8だった。僕は一昨年と昨年にも学生たちに所持率を訊ねている。一昨年は授業で手を挙げてもらっただけなので厳密な数値は不明だが、200名中一桁程度だった。そして昨年は40%前半だったことを考えると、スマホの普及がきわめて著しいことがわかる。

スマホこそコンピューターだった

学生たちはスマホのどんな機能を利用しているか。デフォルトアプリで使用しているものとしては、頻度の高い順に メール=98.2%、電話=96.8%、インターネットブラウザ=94.7%、カメラ=89.3%、音楽プレーヤー=44.5%、それ以外のアプリ60.5%ということになった。

ガラケーをスマホに変更してからのこれらの使用頻度の変化を訊ねてみたところ(選択肢は1.増えた、2.やや増えた、3.変わらない、4.やや減った、5.減った、6使わなくなったの6項目)、「1.増えた」と回答したもので顕著なものが アプリ=79.8%、 インターネット=71.5%、カメラ機能=34.6%、変わらないものは通話=56.8%、メール=39.8%、音楽プレーヤー36.8%だった。ちなみに利用頻度が減少したものはなかった。

これらのデータが示しているのは、学生たちがスマホを実に様々なスタイルで様々な機能を利用していることだ。コンピューターと言えば、これまで先ずイメージされるのはパソコン。パソコンは「汎用機器」と呼ばれ、アプリをインストールすることで様々な用途に利用可能なことがウリだったのだが、意外にも学生たちにはあまり普及していなかった。学生たちにとってパソコンは「お勉強道具」的な側面が強かったのだ(大学入学時に親が買い与えるというパターンも結構多い)。遊びはどちらかというとガラケーの方に振られていた。

ところがスマホはこういったコンピューターのイメージを根底から変えてしまった。今回の結果は、パソコンに想定されていた汎用性を、学生たちはスマホで初めて我が物としたことを示している。そう、要するにスマホこそ彼らにとっては「使えるコンピューター」だったのだ。つまりアプリをインストールしこれを利用する。また、スマホはインターネットを閲覧するディバイスともなっている。これは今回のアンケートの調査項目には盛り込まなかったが、僕は毎年授業中に受講生にテレビとインターネットの接触時間比率をたずねている。そしてなんと、今年初めてインターネット接触時間がテレビを上回ったのである。しかもその際、手を挙げた学生たちのほとんどがスマホを所有していたのだ。つまりスマホが学生たちにインターネットの世界を本格的に開いたと考えていいだろう。

意外や意外、スタンドアローンなスマホ使用

ちなみにスマホこそコンピューターであることの傍証となる(ただし、パソコン世代にとっては不可思議な)データがある。彼らのスマホデータのバックアップ率は52.8%。つまり半数近くがバックアップしていない(恐ろしい?)。言い換えればパソコンに依存しないで、スマホをスタンドアローンで使っているのだ。またWi-Fi利用率は55.7%。接続はもっぱら家庭でなのだが、半数近くがWi-Fi機能を実質、切っているという状況(全ての大学でWi-Fiが飛んでいるが、こっちは使わないのだ。どうやらいちいちログインしなければならない、一定時間が過ぎると切れてしまうというのがうざったいらしい。もっともWi-Fiの存在を知らないという”痛い”学生もいたけれど)。彼らにとってスマホは「便利になったガラケー」という認識なんだろうか。しかし、それこそがコンピューターの使用ということになるんだろうけれど。

じゃあ、どんなアプリを利用しているのだろう?インターネットをどのように扱っているのだろう?

※ちなみに、これは偏差値40台後半~50代前半文系社会学系三大学のデータに過ぎない。たとえばSFCとか筑波なんかで調べれば、おそらくかなり異なった結果が出ることが予想されることをお断りしておく(続く)。