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(フライバー・コーヒー、これはフレンチ・バニラ)



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(こちらはデカフェ。カフェイン・レスだ)


スタバはニュー・アメリカン・コーヒーで日本的

アメリカン・コーヒーはあっても、これがメイド・イン・ジャパンで偽物。本当のアメリカのコーヒーが未だ日本に入ってきていないことについて考えてみよう。

いや、厳密に言えば入ってきてはいる。それはスタバなどのシアトル・コーヒーだが、あれは、いわばヨーロピアン・コーヒーの焙煎の強さを薄くしたモノといったらいいだろう。だから、こちらを飲んだときには確実に胃が荒れるし、何倍も飲んでいると、だんだんイヤになる。だから、これは我々日本人が馴染んでいるコーヒーの生活習慣と同じ。つまり”日常品”ではない”嗜好品”としての扱い。(まあ、だからこそすんなり溶け込んだのだろう。また、スタバはドトールなんかに比べると高級感があるというイメージが強いので、そういった意味では嗜好品的印象をより強調する側面もある)。

仕方がないので、結局、僕は前回にも書いたようにアメリカに行くたびにスーツケースにめいっぱいコーヒーを詰め込んで持ち帰るというわけだ。

隠れたアメリカ文化

ようするにアメリカのコーヒーは、コーヒーと言っても、全く文化的、食生活的背景においては日本のそれとは違ったものなのだ。もっといえば、これは文化の根本的な違いを意味している。そして、なぜか、これは日本人には現状では受け入れられることのないアメリカ文化ということになる。なぜなのか、その理由はわからない。最近は、酸っぱいモノ(アメリカのコーヒーは酸味が強い)が日本人の食卓から外されつつあるという傾向がないこともない(たとえば、ヨーグルトはその酸味が減らされたモノが主流になりつつある)。ひょっとしたら、こういう理由なのかもしれないが……やっぱり、これは完全な文化のブラック・ホールなのではなかろうか。そして、ひょっとして、日本人が最も受け入れがたいアメリカ文化の一つなのかもしれない。

もっとも、日本でさらにコーヒーが定着するようになったとき、つまりお茶のように飲むような習慣が次第に浸透したときには、こんどはアメリカのコーヒーの出番になる可能性があるかもしれない。それは、要するに、その時にこそ、コーヒーの嗜好品から日常品への認識の変容と言うことになるのだろう。

オマケ:アメリカのコーヒーの邪道系

最後にオマケで、アメリカ独自のコーヒー文化を一つご紹介しておきたい。それは「フレーバー・コーヒー」だ。コーヒーにキャラメル、フレンチ・バニラ、チョコレート、ヘーゼルナッツ・シナモンなどの香りを添加したもの。これも日本にはなかなか上陸してこない。たとえば、スーパーで「フレイバー・コーヒー」と銘打ったものは売られているし、コーヒー通販のBrooksでも売られてはいるが……これもやっぱり嗜好品としてのコーヒー、つまり苦みとコクのあるコーヒーベースに香り付けがされている、。で、僕としては、やっぱりフレーバー・コーヒーは浅煎り豆に香りがつけられたモノと思っているので、やっぱりこれもまたフレーバー・コーヒーとしては認められないのだ(とはいっても、Brooksの通販を購入してはいるのだけれど。これも何倍も飲むと胃が荒れます)。

さらにオマケで、カフェインを抜いてしまったdecafeというのもある。ちょっとノンアルコール・ワインみたいな間の抜けた味だが、慣れると結構おいしい。こっちの場合はカフェインもないので、もう完全にお茶の状態になる。つまりどれだけガブガブやっても、胃は全く何ともない。でもって、アメリカのホテルだと客室には通常、コーヒーとデカフェ二つのコーヒー・バッグ(コーヒーメーカーに直接放り込むティーバッグみたいなやつ)が、置かれている。う~ん、アメリカ文化だなぁ、これは。

どなたか、アメリカの本当のアメリカン・コーヒーを輸入販売してくれはしないものなのだろうか?最近、アメリカに出かけてないので、豆が切れて久しいのだけれど……KALDIさんあたり、いかがでしょ?