日本がハブ空港としての機能を復活するためのプランを考えている。前回は「羽田一本化」案だった。今回は残り二つを提示してみよう。

2.成田一本化

二つ目は、逆に「成田の一本化」だ。ようするに国内線も成田に持ってくる。こちらの場合は羽田は閉鎖する。ただし、この場合、いくつかの条件が必要。ターミナルを都心に置き、成田は単なる「乗り場」にすること。これは箱崎のシティ・エアターミナルのような中途半端なものではなくて、たとえば東京駅とかにこれを設置する(土地をどうやって確保するんだ?という問題はあるが。さしあたり考えられるのは地下になるのだけれど、東京駅は結構、掘られているので、品川あたりになるか、東京駅の東側のビルの地下に作るとかする)。さらにターミナルと乗り場=成田をリニアモーターで結ぶ(当然、無料)。時間にして20分以内で到着するはずだ。

こうなると交通機能の「究極の集約」が可能になる。つまり海外に出るためには飛行機であれ、列車であれ、バスであれ、東京駅にやってくればいいのだから。こんなに利便性が高いプランは他にはないだろう。世界有数のハブ空港になることは間違いない。

このプランの問題点は、なんといっても費用が膨大になること。東京駅の新ターミナル建設、そしてリニアモーターカーのための土地買収と敷設費用……「ちょっと無理があるかな?」という気がしないでもないが、集約性としては秀でている。

3.成田と羽田の一本化

そして、三つ目は「成田と羽田の一本化」である
成田ー羽田間にリニアモーターカーを敷設する。そして成田=国際線、羽田=国内線の機能はそのまま。こうすると、二つの間は、成田プランと同様、二十分以内で移動が可能になる(こちらも、同じ空港内の移動という前提だから料金は当然、無料)。つまり、成田と羽田を同じ空間にしてしまうというやり方だ。

で、この三つ目がいちばん合理的ではないだろうか。新たにターミナルを増設する必要はないし、リニアモーターカーは東京湾を何らかのかたちで利用すれば、土地買収料金も格安で済む(陸地だけ。陸地は地下にすれば土地買収についてはタダ)。しかも直線で結べるので二空港間の距離も最短で結べ、さらに時間を短縮化できる。また、成田は深夜の発着枠がないので、深夜便の国際線については羽田を使用すれば24時間体制を維持できる。

ただ、話を元に戻すようだが、こういったグランド・デザインが構想できず、場つなぎ的に対処しているのが航空行政の現状だ。場つなぎだったら、数年もしないうちに、おそらく綻びが生じて、またわけがわからなくなるのは必定だろう。だから、僕は今回の羽田国際線ターミナルにほとんど賛成できない(もちろんハブ空港など目指さず、国内の需要だけに目を向けるのならば、話は別だが)。

だれかジョブスみたいなことをやってくれないもんだろうか?(小沢一郎とか、どうよ?(無理?))

で、最後にオマケで究極の手段として四番目を提案しておこう。ある意味、これがもっともよい手段といえないこともないものだ。しかもカネがほとんどかからない。それは

「国際線は、全て仁川に向けて飛行機を発着させる」

これである。言い換えればハブ空港の機能をあっさりあきらめる。で、使わなくていい金がたくさんできる分、「それ以外の方策」で日本の国際化を考える。案外、こういった存在論的な考え方も悪くはないのではないか。つまり、これは「独自の道を行く」ということなのだから。もっとも「それ以外の方策」を考えられる政治家がいるかどうかは、かなり、疑問だけど。