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MacbookでもなくiPhoneでもない、でもある第三のプラットホーム

iPadはスティーブ・ジョブスのキーノートでの発表にもあったようにiPhoneとMacbookの透き間を埋めるメディアとして位置づけられている。それゆえ単にiPhoneの大型化したものであるとか、Macbookを小型化させたものであるとかの位置づけではダメだ。これでは三つ目の存在としての新規性が無い(ジョブズがNetbookをボロクソにこき下ろすのは、要するにラップトップ・パソコンを小さくして、安くしただけのものでしかないものとみなしているからだろう。僕もこれには同意できる)。両方の機能を備えながら、独自のユーザビリティを備え、それが人々の食指を伸ばさせるような魅力=セクシーさを備えていなければならない。では、その魅力についてiPhone、Macbookとの差異を考えつつ、分析してみよう。

ディスプレイを大型化したiPhone/iPod Touchとすると

まずiPhone/iPod Touchと比較してみよう。

当然、目に入ってくるのが9.7インチという大きさのディスプレイだ。iPhone/iPod Touchは携帯が簡単で便利だ。この点で大型のiPadは不利。これをフォローするためにはiPod Touch/iPod Touchのそれ以外のメリットを継承しつつデメリットにつけ込めばいい。

それはディスプレイの小ささが生む困難ということになるだろう。iPhone/iPod Touchの3.5インチのディスプレイはやはり小さい。あれでの文字入力は結構大変だ。スピーディな入力はちょっと難しい。Amazonのkindleを閲覧できるが、読むのはかなり大変ではある(僕のような老眼になっている人間には一層つらいものがある)。ゲームもあの小ささだと、アクションゲームなどはやっぱり迫力に欠ける。だが、この画面が大きくすれば使いやすさは飛躍的に向上する。ゲームのリアリティもアップするというわけだ。

事実、iPadは原則、座って、あるいは寝転がって使用することを前提している。それはKeynoteでのプレゼンが証明している。いつもなら横にデスクとチェアーが置かれている。しかし今回は違った。まずデスクの代わりにテーブルが置かれていた。そして腰掛けるのはル・コルビジェがデザインしたソファだ。ジョブズたちは、プレゼンでの操作をこれにゆったりと腰掛けながらやって見せたのだ。なにをか況んや、である。ようするにiPhone/iPod Touchを移動中とかではなく、視覚的にも姿勢的にも家の中でくつろいでやることができるという点でiPadは差異化が図られている。

iPhone/iPod Touch環境をそのまま継承する

ただし、画面の大型化をPhone/iPod Touchユーザーに実感させるためには、取っつきやすいインターフェイスでなければならない。それを踏まえiPadのインターフェイスはPhone/iPod Touchと全くといっていいほど同じに設計されている。デスクトップが現れ、そこにアプリのアイコンボタンがパレードで並び、これをタッチする。ちなみにiPhoneアプリのゲームはそのまま拡大したかたちでエミュレートして操作が可能。カーレースのようなゲームの迫力はグッとアップする。600グラム強のiPadは両手で操作することで、さながらステアリングのような臨場感を生んでくれるからだ(この環境の継承についてはいうまでもなくiPhone/iPodとiPを共有し、iPodとは綴りが一つしか違わないというネーミングにも現れている)。結局、iPhone/iPod Touchユーザーであれば抵抗なくiPadに触れることができるわけだ。(続く)