やる気のある人を集めることの重要性

地域活性化(具体的にはマンション活性化)はどうやるべきか。郷土カルタ普及を例にとって話を進めている。前回までは、いくら声をかけても全く反応がなかったというところで、突然、アドバイスをもらったところまでお話しした。つまり……

「かるた事業の内容をよく理解し、積極的に取り組んでくれるような人にアクセスすべき」

以降、このアドバイスに基づいて僕の戦略は180度転換する。つまり、どんなに集めたところで、やる気のないヤツはダメ。そしてこれを相手にすることは、無駄な時間をいたずらに費やすだけということがよくわかったというわけだ。言い換えれば制度的な側面を利用して、強制的にやらせるのではなく、はじめからやる気のある人、この事業の公共性をよくふまえてくれる人、そして教育のためなら、地域のためならなんでもやってやるというような人にターゲットを当てて勧誘するようにしたのだ。そう、自分のことばかり考えているのではなく、常に社会の利益を考え、そのためには自己犠牲もいとわない「公共バカ」さんにアクセスすること。これがポイントと踏んだのだ。

すると人がどんどん集まり始めた。もちろん、個別にあたっているので、大量にというわけにはいかない。ただし、こういった公共心のあふれた人たちはネットワークを持っている。もちろん同じタイプの「公共バカ」のみなさんだ。そしてこのネットワークから芋づる式に人が集まってくる。しかも、こういった人たちは自分から積極的に参加してくれる。しかも、確実に継続的なメンバーをやってくれる。で、全員が判を押したように仕事のスピードが速く優秀だ。で、あっちこっちから集まってもらっても、結局お互いつながっていたりする(おそらく、いや間違いなくこれからの宮崎の教育を背負っていく人たちになるだろう。つまり、器がデカい!)。

結局、かるた活動の活性化のために必要なの人材は「量より質」だったのだ。

やる気のある人が集まると……

そしてもうひとつ。こういう人たちが集まると活動は盛り上がる。何のことはない、みんなワクワクして、おもしろくてやめられなくなるのだ。そして、僕に代わって、かるた活動の教育的効果とかすばらしさとかを、フツーの教員たちに自分から勝手に説いてくれる。そうすると、嫌々ながらやっていた受け身の先生が、今度はその気になってくる。つまり、この「ワクワク感」が伝染していく。そうこうするうちに、みんな気づくようになる。一人でやるよりみんなでやった方が、すごくおもしろいことを。つまり、1+1が3とか4とか、10とかになることを発見する。こうなると、もうやめられなくなる……こういった「公共バカ」の皆さんと飲み会をやったときには、いうまでもなく異常なまでに盛り上がることはいうまでもない。「こんな楽しい飲み会はないよ」メンバーの一人は、そうつぶやいてくれた。

そう、忘れていたが「公共バカ」というちょっと失礼な言葉は、このメンバーの一人が考えてくれた言葉。つまり「俺たちはバカ。バカになることくらい楽しいことはない」。だから「バカ」は究極のほめ言葉なのだ。

ではマンション管理組合は、どうやって活性化するか

さて、かるた普及の例をふまえるとマンション管理組合の活性化はこんなふうにやるのがよいのかもしれない。

まず、役員になったところでやる気のない人は無理に仕事を押しつけない。一方、やる気のある人たちで、まずはよろしくやる。会合やって、懇親会やって……共有する議題はてんこ盛りだから話題は尽きないはず。これをやる気のある役員だけでやって盛り上がってしまう。するとだんだんとおもしろくなってくる。そうやると、会合は必然的に盛り上がる。で、あんまり関心のなかったメンバーにそのおもしろさを伝染させる。そうやって一人一人取り込んでいく……まあ、こんな感じになるんだろうか。

実際にうまくいくかはわからないし、道は遠い。これはかるた普及活動と同じだ。しかし公共バカの放つこの「楽しさ」をじわじわと、気長に伝染させていくこと、これが気長だが活性化のための最短距離なのではなかろうか。このとき、もちろん、自分が楽しむことを決して忘れてはいけない(これがいちばん肝心)。

ちなみに第一回会合。二時間の予定が終わってみれば三時間。つまり、盛り上がったのだ。終わった後、理事の面々は結構満足げな顔をしてた。どうやら、ここにも「公共バカ」のみなさん、御輿担ぎの好きな方々がおられるようだ。さい先はいい。

「地域興しは、ワクワク、ドキドキ」でやるべきなのだ!