東国原知事は高速道路建設賛成派

東国原知事は全国の高速道路建設を原則肯定する「推進派」である。その理由を要約すると、だいたい以下のようになる。

「産業の活性化のために、高速道路はぜひとも必要。企業誘致のために企業に働きかけても「高速道路無いの?」と、言われたら、これで終わり。だから、高速道路建設は通行量だけを踏まえて採算を考えるだけではなく、経済効果も含めた上で考慮すべきなのだ。これまでは「しがらみ」に基づいて、必要もないところにボンボンと高速道路を建設したから、とんでもない赤字になったわけで、この辺をよ~く吟味すれば必要なところと必要でないところがハッキリする。ということは十把一絡げに高速道路建設を否定するのはおかしい。必要なところには建設すべきである。

で、宮崎は経済効果を考えたら、なんとしてでも高速道路を建設する必要がある。とりわけ九州を一周するような道路が必要。そうすれば、宮崎は、これまでよりもはるかに企業誘致が可能になり、大手企業も工場建設に意欲的になる。で、宮崎は潤う」というわけだ。

僕は、知事のこの意見に半分賛成、半分反対である。

賛成の部分は、これまでホントに「どーでもいい」ようなところに高速道路を作り続けた点だ。お陰で作れば作るほど赤字という構造が生まれた(北海道だったら鈴木宗男なんかが、これに関する最たる”悪の権化”だろう)。また、適切なところに、つまり建設することで経済効果が生まれ、これも含めて採算を取れば黒字になるようなところに重点的に高速道路を建設する。これもいいだろう。

宮崎での高速道路建設は「適切」か?

もんだいは、果たして宮崎に高速道路を建設することは適切なのかということ。つまり、高速道路を建設することで、東国原知事が指摘するような大規模な企業誘致が可能になるのかということだ。ココが僕の反対する部分である。結論から言えば「宮崎に高速道路を建設することは「適切」ではない」ということになる。

なぜ、こんな結論を出すのか。

一つは、高速を建設したところで経済効果が期待できないことがすでに立証されてしまっているからだ。

えっ?それはどういうことかって?よ~く考えてみて欲しい。宮崎に高速道路、とっくにあるじゃないですか。えびの経由で都城、宮崎、そして西都まで。だから、トラックは高速で宮崎まで来ることができる。この恩恵を受けていないのは西都以北。日向とか延岡とかになる。ということは、西都まではとっくに高速道路の恩恵を受けているわけだ。

このモノの謂いに対する反論の常套句は、次のようになる。

「そんなこと言ったって、えびの経由でぐるっとUターンして来るわけだし、それでは時間がかかる。これで企業は萎える。」

そんなこと、あるわけ、無いだろ!えびのインターから鹿児島までは54分、宮崎までは62分。その差は8分。ということは二つの都市はほとんどロケーションとしては差がない。高速道路環境としてはイーブンだ。で、鹿児島はどうですか?不活性なイケていない街ですか?そんなことはないですよね。宮崎よりはるかに活性化している。こう考えると、高速道路が宮崎景気浮揚(少なくとも西都以南)のリーサル・ウェポンではない、ということがハッキリする。

要するにもう高速道路の恩恵をとっくに受けている。でも、宮崎はイケてない。ということは別の要因がある。そして、それが解決しないことには高速を延長してもなんの効果も得られない、ということなのだ。

こう考えてみると「宮崎に高速道路を建設することは「適切」ではない」のである。

そして反対するもう一つは「宮崎での高速道路建設推進」は東国原知事のこれまでの方針と完全に矛盾している点である。それは何か?(続く)