勝手にメディア社会論

メディア論、記号論を武器に、現代社会を社会学者の端くれが、政治経済から風俗まで分析します。テレビ・ラジオ番組、新聞記事の転載あり。(Yahoo!ブログから引っ越しました)

2013年04月

Twitter・消費性が高いため旅先では不活性な利用に


バックパッカーとスマホとSNSの深い関係。今回は最終回。Facebookと並ぶもう一つのSNSであるTwitterについても同様の質問を試みた。


Twitter利用の概要
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まずバックパッカーのTwitter利用状況について大学生の調査(関東学院大、立正大、宮崎公立大184 名)と比較してみた。利用率は55.8%で、学生の73.5%に比べると低い。ところがフォロー数、フォロワー数について見てみるとその数値は逆転する。フォロー数は111.6人:100.0人、フォロワー数は100.4人:89.6人とバックパッカーの方が多いのだ。その一方で一日のチェック回数は6.7:12.7、ツイート回数については1.2:5.3と学生の方が多い。

以前、本ブログで示したように(「若者はスマホでSNSをどのように使いこなしているのか」http://blogs.yahoo.co.jp/mediakatsuya/folder/1355896.html)学生におけるTwitterの利用はmixiの代用といった趣が強い。つまり、Twitterは可能性としては不特定多数の世界中の人間に向けてその発信・受信が開かれているが、実際には学生たちのTwitter使用は顔見知り(言い換えれば匿名だが有名)のコミュニケーション、そしてヒマつぶしのツールとしての受信・発信利用に限られていることが判明している。だから彼らの場合、頻繁に利用しチェックやツイート回数も多い半面、フォロー・フォロワー数が少ない。

バックパッカーの利用はこれとは方向性が異なる。利用率が学生に比べて低く、チェック数、ツイート数も少ないにもかかわらずフォロー・フォロワーが多いということは、学生よりもTwitter利用が外部に開かれている可能性が考えられるのだ。

Twitterはヒマつぶし


Facebookと同様、Twitterの利用意識についてもマトリックスを用いた質問項目を設定してみた。設定した質問項目はFacebookと同じ。つまり第1象限・情報入手については「情報収集」と「自己表現」、第2象限・情報消費については「ヒマつぶし」、第3象限・表出コミュニケーションについては「コミュニケーション」、第四象限・伝達コミュニケーションについては「連絡」だ。これをバックパッカーの国内と海外での意識、さらに学生たちの意識で比較したのが次のグラフだ。


Twitterの利用意識
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先ず、国内での利用意識を学生のそれとの比較で見てみよう。学生より高い数値を示すのが第2象限・ヒマつぶし(43.4%:35.5%)。一方、低い数値を示すのは第1象限の・情報収集(18.1%:24.7%)だ。第3象限・コミュニケーションが学生よりやや低い(27.8%:31.3%)のも興味深いデータといえる(あくまでも憶測だが、ひょっとするとコミュニケーションは情報収集はFacebookでということなのかもしれない)。ただし、全般的に同傾向を示していると見ていいだろう。バックパッカーは国内でTwitterを使う理由については、前述の第2象限・ひまつぶし(43.4%)と第3象限・コミュニケーション(27.8%)が高い数値を示している、つまり消費的なツールとして利用されているということになる。

旅先では利用はあまりしないが、するならば目的性の高いツールとして用いられる
だが、これが海外では様子がガラッと変わってくる。上のグラフの丸で囲った数値を見てほしい。赤丸は上昇したもの、青丸が減少したものだ。先ず上昇したのは第1象限・自己表現(7.2%→17.0%)と第四象限・連絡(1.2%→18.6%)だ。一方減少したのは第2象限・ヒマつぶし(43.3%→24.5%)、そして第3象限・コミュニケーション(27.8%→15.1%)だ。つまり2・3象限の消費性が減退し、1・4象限の目的性が上昇する。しかもいずれも増減の幅がFacebookに比べて大きい。これは旅先と国内ではTwitterの使い方が明確に異なることを示唆している。

この大きな振り幅を考察するために他のデータを見てみよう。次の二つは「旅先での(Twitterの)チェック回数、ツイート回数は国内の時に比べて増えたか減ったか?」という質問についての回答だ。



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チェック回数が減少したと答えた者は「減った」+「やや減った」で61.5%、「増えた」+「やや増えた」は20.6%、ツイート回数は「減った」+「やや減った」で61.5%と全て減少傾向にある。まあTwitterなんかやっている場合ではないというところだろうか。そして、やはりFacebookに比べるとその頻度は格段に落ちる(Facebookは「減った」+「やや減った」で47.5%)。また「旅行中のツイート内容が変化したか?」という質問については61.9%が変化したと回答している。


旅行中のツイート内容が変化した
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これらのデータが語るものは結局「原則Twitterは消費的なツールでヒマつぶしに使っているので、海外に出て忙しくなった場合にはあまり使わなくなる。ただし、使う場合には消費的ではなく目的的なツールとして利用する」ということになる。やはりTwitterは国内と海外では、その使われ方が全くもって異なってしまうようだ。


Twitterもまた旅のために使うもの



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また非常に雑ぱくな質問として「旅行中のTwitter利用は旅に関するもの、それ以外のもののどちらになりますか」というFacebookと同じ質問項目を設けてみた。「旅+やや」が55.1%、「それ以外+やや」が35.0%という結果、とりわけ明確に旅に関するものという回答が42.9%だったが、これは要するにTwitterが旅のツールとして主体的、目的的、積極的に活用される傾向が高まるということをある程度裏付けていることになる。つまり、使う頻度が下がるが(チェック回数の減少)、使う場合には目的性が高まる(情報収集、連絡利用の高まり、暇つぶし利用の減少)がゆえに、旅先での利用者のツイート内容も異なる。そしてその異なった内容とは旅に関するやりとりの増加ということになる。

「ネオ非日常」という新しい非日常を楽しむスタイルを創ったスマホとSNS

ということで、ここまでバックパッカーのスマホとSNSの使われ方を見てきたが、この二つがバックパッカーにとっていかに旅のツールとして重要なのかがお解りいただけたのではなかろうか。つまり、これらを利用することでバックパッカーは旅を一層活性化させているというわけだ。ただし、である。これは純粋に旅を楽しむ、旅情に浸る、旅先でのコミュニケーションを楽しむといった、かつてのバックパッカーの楽しみ方とはちょっと違うようでもあるようだ。むしろ、これらを携帯することは、旅=海外という「非日常」に日本という「日常」を持ち込むことなのだから。言い換えればいまどきのバックパッキングは海外でもっぱら旅情=非日常を楽しむのではなく、常に日本という日常とも接続しつつ旅を楽しむ、日常と非日常を足し合わせた「ネオ非日常」を満喫する旅のスタイルへと変化したと言うことが出来るのではなかろうか。

僕も年三回くらいは海外に出るのだけれど……そういえば、もうどこへ行っても日常という感じがするなあ!
(今回は残念ながら今最も旬であるSNSのLINEについての調査を行わなかった。ただし、バックパッカーの多くがこのアプリをスマホにインストールし利用していた。今年も調査予定だが、その際にはLINEも調査項目に加える予定だ)。

目的性を示すものとしてのカメラ撮影



旅行中の写真のアップデート回数について
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バックパッカーのSNSの使いこなしについてバックパッカーの聖地、タイ・バンコク・カオサンでの調査結果を報告している。今回はFacebookの利用意識の三つ目のカメラ機能の使い方についてから。

今回の調査では項目としては部分的にしか取り上げなかったが、写真の撮影についてもこういった目的性の高まりを見て取ることが出来る。既に述べたように、スマホでのカメラ機能は非常に重要視されている。だが、スマホにはカメラ機能が備わっているにもかかわらず、デジカメ(単体)はスマホ・ガイドブックと並んで旅の三種の神器ともなっている。なぜスマホの他にデジカメを持ち歩くかについては統計は取らなかったのだが、インタビューでは「デジカメはスマホのカメラ機能とは違う」という回答を多数耳にした。これはカメラの精度の問題、つまりカメラの精度を必要とするかどうかで使い分けるというもので、実際スマホとデジカメを持ち歩く旅行者の多くが比較的高額のカメラを所有していた。記録としてとっておくのがデジカメによる撮影で、SNSアップ用に撮影したりメモ代わりにするのがスマホのデジカメ機能という使い分けを行っているバックパッカーもいた。旅行中の写真のアップデート回数が「増えた」+「やや増えた」と応えた者は62.3%(「減った」+「やや減った」は27.2%)で、とりわけ「増えた」は37.6%だった。つまり、Facebookへのアクセスは減少しているのだから、これは明らかにアップデートすることを目的に撮影していることがわかる。やはり、ここでも目的性が重視されているのだ。



Facebookはコミュニケーションツール(国内)から目的ツール(海外へ)~Facebookまとめ

さて、ここまで見てきた1.Facebookの利用理由、2.「いいね!」ボタンを押す理由、3.写真のアップデート理由の調査結果をまとめて、あらためて俯瞰的に表示してみよう。次のマトリックスを見てほしい。


Facebook全般の利用意識・俯瞰


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国内から海外に移ることによって割合が下がったものは右下向きの青色の矢印で、上がったものは右上向きの赤色の矢印で示してある(「いいね!」の第4象限の「挨拶感覚」は右下向きの矢印だが、意味の問題上、赤で示してある。つまり下がった方が目的性がアップする)。これらの各象限のパーセンテージを国内、海外別に全て合計し、これを100%として、各象限の割合の増減を表示してみたのが次のグラフ=陣取り表だ。


Facebook利用のマトリックス・陣取り表
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こうやって見てみると海外では第2象限と第3象限、つまり消費性に関する軸が減少し、第1象限と第四象限、つまり目的性に関する軸が上昇していることがわかる。やはりここまで見てきたようにFacebookは旅先ではコミュニケーションツールから目的を持って利用するツールへとその意識=行動がシフトするのだ(ただし、おもしろいのはその目的が旅ではなく国内に向けられている点なのだが)。

これをもう少し細かく見てみよう。次のマトリックスは各象限のパーセンテージの増減を表したものだ。


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情報消費はそれほど減少しているわけではないが、表出コミュニケーションが減少し、情報入手と伝達コミュニケーションが上昇している。第2象限が第1象限と第4象限に分散したというわけだ。


Facebookは旅のために使うもの

そして、この目的性を傍証するものとして、ざっくりとした質問を用意しておいた。それは「旅行中のFacebook利用は旅に関するもの、それ以外のもののどちらになりますか」というものだ。その結果「旅+やや旅」が50.9%、「それ以外+ややそれ以外」が23.7%という結果だった。とりわけ明確に「旅に関するもの」という回答が39.0%あったが、これらは要するにFacebookが旅のツールとして主体的、目的的、積極的に活用されるということを意味していることになる。いいかえればFacebookはさまざまな側面で旅を活性化するツールといえるであろう。

Facebookの利用は旅に関するもの?それ以外?
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つまり旅先ではあらゆる側面で目的性が高まるが、Facebookはこれを加速させる。だがその目的性は旅先で仲間を見つけるのではなく、既存の仲間と連絡を取ったり、日本の情報をやりとりする側面に向けられる。

次回は最終回、Twitterと総括について展開したい(続く)

バックパッカーのスマホ使いこなしについてお伝えしている。これまで1.スマホがバックパッカーたちの必携アイテムであること、2.SNSが最も利用されていること、3.SNSの中でもFacebookが圧倒的に利用されていることを示しておいた。では、バックパッカーは具体的にどのような意識でFacebookそしてTwitterといったSNSを利用しているのだろうか。

マトリックスを用意する

これを明らかにするために「縦軸:情報へのアクセスー他者へのアクセス」「横軸:目的性ー消費性」からなるマトリックスを設定してみた。



SNS利用意識のマトリックス

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縦軸「情報へのアクセスー他者へのアクセス」は「アクセスしようとしている先が情報に向かっている」VS「アクセス先が情報のさらにその先に想定される、これらを受信したり発信したりしている具体的な他者に向かっている」という軸。一方、横軸の「目的ー消費」は「情報を何らかの目的のために手段として利用する。価値が置かれているのは情報」VS「情報へアクセスすること自体を目的とする。価値が置かれているのは情報内容よりも、アクセスという行為。アクセス行為をやっていることが重要」という軸だ。とはいうものの、これだとまだ抽象的なので、それぞれの象限を「インターネット」での具体的な利用例を示しながら説明してみたい。

第1象限(情報入手=情報アクセスー目的・右上):Wikipediaやグーグルで調べ、コンテンツをUpする

目的達成のために情報入手することを目的とする利用意識。受信の場合は何らかの情報を入手しようとする場合がこれに当たる。レポート提出を要求され、その資料を探すためにWikipediaやGoogleなどに検索をかけるといった行為=意識がこの典型だ。一方、発信の場合は自らが作ったコンテンツ・作品などをネット上に公開するような場合がこれに当たる。その際、最終的に、読者としてこのコンテンツをブラウズする他者が想定されてはいるが、これは不特定の匿名的な他者になる。つまり「誰でもいい」。

第2象限(情報消費=情報アクセスー消費):何気にインターネットをブラウズする

情報にアクセスする行為それ自体を目的とするような利用意識。受信の場合はヒマつぶしとしてネットにアクセスするような場合がこれに当たる。「何か面白いことはないか?」こんな感じでたとえばYahoo!のポータルにアクセスしたり、Youtubeを見ていたらどんどん関連する動画を見ていって時間が過ぎてしまったりするのが典型的なパターンだ。一方、発信の場合は、例えばアンケートに答えたり、Webゲームをやったりするのがこれに該当する。

第3象限(表出コミュニケーション=他者へのアクセスー消費): 親密さを求め誰かと関わる

他者との場の共有、コミュニケーションそれ自体を目的とする。関心の対象は他者の存在。つまり、相手と何らかのかたちでやりとりすること自体が目的であり、情報それ自体はそのための手段になる(いいかえれば、情報はネタになり、それで盛り上がりさえすればなんでもいい)。チャットなどでとりとめもないコミュニケーションを行うのがその典型。やりとりのその先には具体的な他者(つまり特定の他者)が設定されている(匿名の場合もあり。チャットなどの多くがこれに該当)。最終的に目指されているのは親睦や親密性の確保だ。ネガティブに表現すれば「寂しさ紛らわし」ということになる。

第4象限 (伝達コミュニケーション=他者へのアクセスー目的):メールなどの連絡のやりとりをする

他者への情報の授受を目的とする。関心の対象は、受信では他者の、送信では自らのデータ。メールによる情報のやりとりや連絡がこれに該当する。授受の相手は相互に具体的な、特定の他者。つまり、ある程度顔が見えていることが前提になる。

そして、この四つの象限のどこにバックパッカーのSNS意識が向かっているかについて調べてみた。
Facebookについては1.Facebookを使う理由、2.「いいね!」ボタンを押す理由、3.写真をアップデートする理由の三つについて質問した。今回はその内、二つについて展開する。



旅の目的性を高め旅を活性化するFacebook

Facebookを利用する理由は3象限(国内)→4・5象限(海外)へ

まず1について。質問項目は「旅先でFacebookを使う理由は?」というもので、選択肢は1.情報収集(第1象限・受信)、2.自己表現(第1象限・発信)、3.ヒマつぶし(第2象限)、4.コミュニケーション(第3象限)、5.連絡(第4象限)の5つだ。



Facebook利用意識のマトリックス

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日本国内でFacebookを使う理由で第1位と答えた割合は情報収集7.8%(1)、 自己表現5.0%(1) 、 暇つぶし15.6%(2)、 コミュニケーション56.7%(3)、連絡13,5%(4)だった。一方、海外になると情報収集11.1(1)、 自己表現19.0(1)、 ヒマつぶし16.5%(2)、コミュニケーション25.4%(3)、 連絡26.1%(4) その他1.6%となる。


Facebookを使う理由第1位
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Facebookは原則的には国内では第3象限のコミュニケーション・ツールという認識が抜きん出て高いが、海外に出るとこの割合は激減し、第4象限の連絡ツールがこれを僅かながら抜いてトップに来る。また第1象限の自己表現の手段としての利用が19.0%になり、第4象限の連絡(メッセージ機能の利用を含む)使われる率が高まってくる。つまり消費性が減少し目的性が高まる。

この目的性の高まりは旅先でのFacebookへのアクセスの仕方でも示されている。日本での1日のチェック回数は3.6回だが、海外ではチェック回数が減った(「減った」+「やや減った」)と応えたものが47.5%で、「減った」は34.4%(一方「増えた」+「やや増えた」は40.2%、その内「増えた」は25.4%)であるにもかかわらず、その一方でアップデート回数(日本で週平均1.1)が旅先では「増えた」+「やや増えた」と答えたものが39.1%(「減った」+「やや減った」は29.3%)という回答だった。チェック回数の減少はインターネットにアクセスする環境が減ってしまったためだが(Wi-Fi以外では、ほとんどアクセスするネット環境がない)、それにもかかわらずアップデート率が上昇を見せているのだ。

スマホ&SNSは旅のためのツールというわけでは、必ずしもない

興味深いのは旅の情報収集ツールとしてはあまり使われていない点。当初、調査するこちら側が想定していたのはスマホ&Facebookの持ち歩きによって現地で海外情報にアクセスし、また旅の仲間を増やすというものだった。ところが既に今回の特集で示しておいたように、バックパッカーたちが旅の情報としてアクセスするメインは昔と変わらずガイドブックと口コミだったし、Facebookでやりとりする相手もそのほとんどが日本在住の人間だったのだ。言い換えれば旅行情報のツールとしても、旅行者同士のコミュニケーションのツールとしてもあまり使われていないということになる。

旅先で「いいね!」ボタンを押す傾向が減る:第2象限(国内)→第四象限(海外)

次に二つ目の「いいね!」ボタンの押し方についてみてみよう。質問内容は「どのような状況で「いいね!」ボタンを押したことがありますか」についてたずねるもので、回答項目は1.近況アップデートのコメント等で「いいね!」ボタンを押すように要請され、それに応えて押す(第1象限)、2.コメントや写真が面白く「思わず」押す(第2象限)、3.コメントや写真を見て相手の気持ちに共感したときに押す(第3象限)、4.内容に関係なく、あいさつ程度に押す(第4象限)で、それぞれを国内と海外で回答してもらった。



「いいね!」ボタンのマトリックス

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その結果、旅先ではこちらも目的性が高まる傾向があることがわかった。「いいね!」を押す理由のうち第2象限の「コメントや写真が面白く、思わず押す」が日本81.3%→海外64.1%、第3象限「コメントや写真を見て相手の気持ちに共感したときに押す」が79.2%→62.5%と減少する。そして注目すべきは「押さない」が6.0%→26.8%と増加することだ。前者は要するに暇つぶし=消費的にFacebookを閲覧しているときに押すようなシチュエーションゆえ、忙しい旅行中Facebookで暇を潰している場合ではないということになる。この目的性については「押さない」についても全く同様の解釈が可能だろう。「忙しいから押さない」のだ。



「いいね!」ボタンを押す理由
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このことは「いいね!」ボタンを押す理由一位の頻度についての回答も傍証となる。第2象限「思わず」が48.4%→41.7%と減少する分、第4象限の「あいさつ程度」が8.0%→14.0%と増加するのだ。


「いいね!」ボタンを押す理由第1位
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次回はカメラアップデートとFacebook全般の利用意識の考察をお送りする。(続く)

さて、今回はバックパッカーのスマホ利用のメインであるSNSの使いこなしについてお伝えしたい。

Facebookの利用率が高い



SNSの利用率
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まず、国内ではFacebook利用比率が高い。利用率はそれぞれFacebook85.5%、Twitter55.4%、mixi43.0%。これは学生調査(関東学院大、立正大、宮崎公立大)が Facebook52.6%、 Twitter73.5%、mixi45.9%と比較するとわかりやすい。学生のSNSの利用が、Facebookより操作が容易なTwitterに傾いているのとは対照的だ(誤解のないようにお断りしておくと、機能的に見てTwitterがFacebookより操作が簡単というわけではない。そうではなくて、学生たちがTwitterのごく一部の機能だけを使って「mixi代わり」として利用しているという意味で「容易」なのだ。この詳細については本ブログhttp://blogs.yahoo.co.jp/mediakatsuya/64122112.htmlを参照)。やはりバックパッカーたちの方が僕が調査した学生たちよりは情報リテラシーが高いのかもしれない。

旅行中となると全体的に利用頻度が下がる。Facebook76.4%、Twitter27.4%、mixi8.5%。だが、これはネットにアクセする環境が減少するためと考えられる。ただし注目すべきはやはりここでもFacebookの利用比率だ。三つの中で最も利用頻度の低下率が低い(反対にTwitterは激減する。ちなみにmixiに至っては旅のSNSツールとしては実質機能していない)。いいかえれば、旅先ではFacebookの重要性がより高まるということになる。



最も利用するSNS
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バックパッカーのFacebookへの傾倒については、その利用頻度についての意識を見てみるともっとはっきりする。国内での利用頻度の最も高いものは順にFacebook630.5%、Twitter26.1%、mixi13.4%(学生はTwitter45.2%、LINE42.5%、Facebook6.9%、mixi3.2%。残念ながらバックパッカーにLINEの利用頻度についてのアンケートをとっていないので、比較はあくまで参考にとどまるが)。そして旅先での利用頻度の最も高いものについてはFacebook75.4%、Twitter18.8%、mixi5.8%Facebookの利用率が一層高まる 。スマホは旅の必需品だがその中でもSNSが必需品、さらに旅のSNS =Facebookという図式が成り立つ。



Facebookの利用状況について


利用期間と友達申請数
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Facebookの利用状況についてみてみよう。一年以内の利用歴が37.7%。平均利用歴は22.7ヶ月。この数値は日本フェスブックが開始されたのが2010年1月(つまり、調査時点の2012年8月において開始されて32ヶ月)であることを踏まえれば、きわめて長いとみなすことができる(同時期調査の学生調査は14.6ヶ月)。友だち申請数は205.8名(同118.8名)。バックパッカーたちのFacebookの利用の仕方は学生たちよりも比較的外、つまり身内以外にも開かれていることが考えられる。

バックパッカーたちはFacebookをかなりアクティブに利用しているのだ。では、どういった利用意識を持っているのだろう?(続く)

スマホ利用の実態

スマホでのインターネット利用状況の変化

バックパッカーたちのスマートフォン所持率は77.8%と極めて高い。ではバックパッカーは海外でスマホをどのように利用しているのだろうか。二つの側面で訊ねてみた。ひとつはインターネットのどの機能を利用しているか。それが次のグラフだ。比較のために、日本国内での利用と旅行中での利用の二つについて質問してみた。


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まず日本国内での最も利用頻度の高いものについて。高い順からSNS39.5%、電子メール16.6%、娯楽情報15.9%、報道アクセス10.8%となる。これが旅行中となるとSNS43.9%、旅情報23.9%、電子メール17.4%、SNSによるメッセージ機能7.7%という順になる。ポイントはSNSや旅情報の入手、SNSのメッセージ機能利用が活性化する点。海外に出るとインターネットは基本的に旅に必要な各種の情報やりとりのための実用的なツールという意味合いが高まってくる。それゆえ娯楽や報道にかんする情報の利用は激減する。まあ「旅行中にヒマをつぶしている場合ではない」ということになるのだろうか。



旅行中でのスマホ各機能の利用



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次に、スマホに備わっている機能の利用状況について見てみた。その結果、最も利用頻度の高い順にSNS28.2%、カメラ26.1%、ネットブラウザ11.5%、音楽プレイヤー9.6%、通話アプリ8.9%、その他3.2%という結果だった。やはりスマホはSNSマシンと言えるが、その半面カメラ機能の利用が多いこと、音楽プレイヤーが少ないことが特徴的。カメラはやはり「旅だから撮影」ということになるのだろうか。ちなみにカメラ単体を持ち込んだ割合は69.6%に及ぶ。こうなるとカメラは実質的には二つ持ち込むということになる。つまりデジカメとスマホのカメラ機能。なぜ二つ持ち込むのかについてはアンケートをとらなかったがインタビューしたバックパッカーで二台を持ち込んだ理由を何人かにたずねたところ「デジカメは勝負で(つまり真剣に)」「スマホはスナップ感覚で」という答えが多かった。ちなみにスマホの場合にはSNSにアップすることがしばしば前提されていた。SNS&カメラというのがスマホの旅での使われ方のようだ。

音楽プレイヤー機能については50.0%が利用していると答え、一見、あまり利用されていないようにも見えるが、音楽プレイヤー(ハード)の持ち込みも56.0%に達しており、これらとの使い分けが行われていると想定される。だから、バックパッカーは音楽を聴かないということには決してならない。

結局国内であろうが旅先であろうが、スマホで最も利用されているのがSNS。以前学生の調査結果でも示して置いたが、やはるスマホというのはSNSマシンと捉えるのが的を射ているようだ。

ということで、次回はSNSの利用状況についてお送りしたい。(続く)

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