伊達直人現象は制度化されるべきだ
前回は伊達直人=タイガーマスク現象がしばしばKYな「ありがた迷惑贈答」になっていること、そしてメディアが取り上げなくなることで、やがて収束することを指摘しておいた。
たしかに施設の人たちがボランティアに振り回されるのは、ちょっと問題ありではある。 メディアを通して一過性のものとして終わってしまうことも問題。でも、こういった”贈り手も受け手もともに報酬を得られる”というスタイルを維持するのはよいことだ。ならば、KYにならないように、そして永続するように制度化すればよいわけで。では、どうやるか。
”ヴァーチャルちびっこハウス”を作ろう!
僕が提案したいのは「ヴァーチャルちびっ子ハウス」というものだ。ちびっ子ハウスとは孤児の伊達直人が育ち、タイガーマスクになってからは正体を隠しながら金銭的支援を続けた児童擁護施設。伊達はちびっ子ハウスの子供たちに様々な施しを続け、また子供たちがタイガーマスクの熱烈なファンであることから、自分が所属していたヒール=悪役専門でなければならない組織・虎の穴の掟を破ってベビーフェイス=善玉としてフェアプレーする正義の味方に転じ、タイガーマスクとして子供たちに正しい生き方を提示続けた。そして、それがタイガーマスク=伊達直人としてリングで戦うモチベーションになっていったのだ。
この循環を「平成の伊達直人」たちにも適用可能な環境=情報インフラを用意すればいいのだ。
具体的には、この「ちびっ子ハウス」をウェブ上に構築する。つまり伊達直人の贈り物に対して、子供たちや施設の人間がこれに感謝の意を表したり、今、これをどうやって使っているか、あるいどんな暮らしをしているかについての情報を公開する大がかりなホームページ=掲示板を立ち上げる。たとえばクリック一つで、その児童養護施設にアクセスできるようなホームを用意すれば、伊達直人たちは自分の贈ったものが、どう使われているか、どんなふうに感謝してもらっているか、喜んでもらっているかを確かめることが出来る。もちろん伊達直人が掲示板に登場することもアリだ。そうすれば子供と直接関わることもできる。また、子供たちや施設の人間が欲しい物をリクエストすれば、次の伊達直人の贈り物は、KYな、つまり「ありがた迷惑な」贈答になることもない。
「伊達直人たち」は、本当に伊達直人になれる
こうなれば伊達直人はアニメの伊達直人=タイガーマスクと同様、正体を隠しながら子供たちと交流を図ることも出来る。そして、こうすることで子供たちは伊達直人に感謝し、伊達直人とコミュニケーションを図ることも出来る。伊達直人はそれをモチベーションに自らの仕事に励み、その稼ぎを再び子供たちに、しかも定期的に贈り物に役立てようという循環が発生する。
こうやって伊達直人現象が制度化されていけば、養護施設の子供たち、そして伊達直人たちも、互いの欲望を満たしながら、これを永続させていくことが出来るわけだ。
この運動。どなたか、始める方はいらっしゃいませんか?