東国原は無謀なことはしない「確信犯」
引き続き政権と東国原宮崎県知事の動向について分析を続ける。昨日(24日)の動きで今後の流れが多少見えてきたような気がする。で、昨日の僕のブログの分析を発展させる形でさらに動向を占ってみよう。
今回は一つの前提に基づいて考えてみたい。それはこの一連の騒動をアングルと捉えてみれば、というものだ。アングルとはプロレスの用語で「 試合展開やリング外の抗争などに関して前もってそれが決められていた仕掛け、段取りや筋書き」のことをさすが、まさに今回の一連の騒動はこのアングル=やらせ、あるいは巧妙に仕掛けられた罠であるかのように見えるのだ(今日の「とくダネ!」の分析もアングルではないかと占っていた)。というか出来過ぎに見える。
要するに古賀選挙対策委員長も丸山和也参議院議員も橋下徹阪府知事も全員がひょっとしてグルなんではないか。こんなふうに考えるのは、東国原という男は「無茶」はやるが「無謀」「無策」では絶対ないからだ。言い換えれば常に「そろばんずく」。かなり周到に計画を練り、これを実行し、現在の地位を確保している。県知事選のマニフェスト提示(県知事候補としては初)、テレビジャック、鳥インフルエンザ騒ぎを逆手にとっての宮崎地鶏の全国区化などなど。これまで東のいろんなやり口を見てきたが、やはりかなり計算している(もちろんアドリブ的な部分もあるが)。 しかもテレビとブログを駆使してこれを巧妙にやる「メディアの魔術師」でもある。
前日のブログでは「地雷を踏んだ」と表現したが、もしはじめから古賀と東国原が今回のことを前もって準備していたら、これは「地雷を踏んだフリ」になる。騒ぎを起こして注目を自民党に向ける。一旦、自民党は「タレント出身の男に頼らなければならないほど落ちぶれたか」とはなるが、それでも担ぎ出せば東国原は「地方から中央へ向けての政治」を常に訴えているゆえ、自民党のイメージを一新するには都合がいい。失地回復は十分すぎるくらい可能だ。
そして、実際、今回の県庁訪問に先立って二人は何回か会合を持っているという。ということは、二人がそこで今回のシナリオを描いていると言うことは十分に考えられるのだ。そして、それをセンセーショナルに行うために、東国原が訪問したのでも、二人がどこかであったのでもなく、古賀選対委員長が直々に宮崎県庁を訪問した。これは、メディアが飛びつくには最高の場所だろう。演出としては完璧だ。
実際、メディアは大騒ぎになった。民主党も自民党もまずは非難。丸山和也参議院議員に及んでは古賀選対委員長の責任問題まで持ち出すほど。一方、自民党の重鎮たちは総裁にしろという東の発言に「ふざけるな」とか「ジョークでしょ」と答える。
これは東国原にとっては(そしてアングルとすれば古賀選対委員長にとっても)思うつぼの展開だ。これらを受けて東国原は「ジョークではない。本気だ」とドスを突きつけた。ただしここで「総裁にしろとはいっていない。総裁「候補」にしろと言い直す」つまりメディアを使ってさんざん騒がしておいて、さらに爆弾発言を行ったのだ。これに対して古賀選対委員長も認める発言。まったく反省している様子もない。それどころか東国原にはめられて慌てているといった様子すらない(というか、これからの動向をうかがっているような顔にも見える)。これは、どうみてもヘンだ!(続く)