ゼミ選びは教員の性格を見抜け
では、次にゼミはどうやって選ぶか。で、その際ポイントとなるのが前回取り上げた講義だ。講義はあたりまえだが、その講義を受けることで研究分野の概要がわかるので、専攻する際の目安になるが、もっと重要なのはその講義を担当する教員の質を吟味できるということだ。わかりやすい授業をやっている、カリキュラムがしっかりしている、学生の反応をフィードバックしている、この辺をしっかりチェックする必要がある。で、下手すると専攻分野よりもこっちの吟味の方が重要といってもいい場合が多い。言いかえるといい加減な授業をやっている教員は、おおむねゼミもまたいい加減。わけのわからない授業をやっているなんてのは問答無用なのだ。教員のタイプは大別して四つ。1.全く何もやらない、2.研究に熱心で教育はどうでもいい、3.教育は熱心だが研究はやらない、4.教育も研究も熱心にやる。楽したければ当然1だが、一生懸命やりたければ絶対に4だ。2は1と同様ほったらかしだし、3はいいように見えるが、時にネタが古くて使えないということも。でも本人はそのことに気付かず一生懸命指導するので、やりたくもないことをやらされることになり、うんざりすることも多い(ただただ単に人がいいという場合はこれには当たらないが)。4の場合は自分の研究内容を頻繁にフィードバックしてくれるというか、ほっといても新ネタをしゃべり続けるので、聞いている学生の側も刺激されてハマる。で、よく考えるとこういった教員は研究と教育を分けていない。同じことの二側面でしかないのだ。その同じこととは研究を遊びとか人生とかにしていて、インプットが研究、アウトプットの一つが教育になっていること。東大の上野千鶴子などはその典型で、あのアグレッシブな研究活動の背後で教え子(院生だけど)をバシバシ鍛えているというスーパーぶりを発揮しているという。ちなみに、このブログで前回に挙げた、僕が学部時代、その講義に感銘した法政大学の船橋晴俊教授も同じで、ゼミ生、院生には徹底した教育を施している(だから法政社会学部では、このゼミから多くの研究者が輩出されているのだが)。
講義がうまいのは当然3と4。二つの違いを見極めるのは、講義内容に対する情熱の持ち方の違いあたりだろう。教えるのに一生懸命なのか、内容を語るのに一生懸命なのか。語学的な学習スキル(処理系)を学ぶなら前者、思考をめぐらすような学習スキルを学ぶなら後者となる。で、最終的に狙うのは、やっぱり4だ。(続く)